いま「ホリスティック」を冠した組織が、「農業」「教育」「経営」「セラピー」「心理学」「看護」など、さまざまな分野で活発な活動を展開しています。「ホリスティック医学協会」はそうした新しいムーブメントの草分け的組織のひとつです。

人間を含むすべての生物は、もともとが太陽・空気・水・土壌など、地球の複雑な営みから派生した存在であり、他のすべての〈もの〉や〈こと〉とつながってはじめて持続が可能となる、ホリスティックな仕組みのなかにあるものです。

専門分化が過剰に進みすぎた人間社会に生じる歪みによって、地球そのものも、地球上に生息する生物も、もともと与えられていた持続可能性を失いつつあるいま、少なからぬ数の人たちが忘れていた「目にみえないつながり」に再び気づき、「ホリスティック」な活動に参加しはじめています。その分野は右にあげたいくつかの実例に限定されものではなく、社会のありとあらゆる分野へと広がりを見せています。

同じ志をもつ仲間と一緒に、そのつながりの輪を広げていきましょう。

 

(文) 上野 圭一(うえの・けいいち)ueno_keiichi

翻訳家、鍼灸師、NPO法人日本ホリスティック医学協会名誉顧問、「癒しと憩いのライブラリー」館長。世界の代替療法、ホリスティック医学を先駆的に研究。アンドルー・ワイル博士の一連の著書を始め、多くの書物の翻訳を手がけている。著書に『代替医療』(角川書店)『私が治る12の力』(学陽書房)などがある。