ドッグ・サイコセラピー(アンドルー・ワイル)

『HOLISTIC NewsLetter Vol.7』(1990)
ドクター・ワイルの「ナチュラルヘルス」
ドッグ・サイコセラピー

文・アンドルー・ワイル
訳・上野圭一


わたしは、ローデシア犬のメスを2匹飼っている。母犬とその娘だ。
犬はわたしの生活の一部であり、犬なしで長期間暮らすことはとても考えられない。
犬はわたしをよく笑わせ、ときには怒らせ、つねに無心のこころを教えてくれる。
犬とわたしは、ことばでは表現しにくい特別な絆で結ばれている。

ふさぎの虫に襲われたときや、すっかり参ってしまったとき、わたしは犬にサイコセラピー(心理療法)を受けることにしている。
読者にも、ぜひお勧めしたい方法だ。

母犬のほうに「お座り」をしてもらい、犬に向かって自分の気持ちや悩みを打ち明けるのである。
彼女はじっとわたしの話に耳を傾けてくれる。
若いころに受けたフロイト派の精神分析医の違いは、犬のほうがあいづちが少ないということぐらいだ。
費用もずっと安いし(ビスケット1枚)、どんなに醜い感情や行為について告白しても、無償の愛で答えてくれる。真の友情と支援を示してくれるのだ。
ドッグ・サイコセラピーを15分も受けると、最悪だと思っていた問題も、大したものではなかったことがよくわかる。
動物を慈しみ、その世話をすることはとてもいい修行になるものなのだ。

ペットを飼っている人は飼っていない人より病気にかかりにくいということを裏付ける研究はたくさんある。
飼ってる人は重症の病気になっても治りが早いというデータも出ている。
ペットとは責任を負うべき対象のことなのだ。

(HOLISTIC News Letter Vol.7 1990年)より

 

 


アンドルー・ワイル
医学博士。1942年生まれ。ハーバード大学で植物学の学位を取得した後、ハーバード大学医学校を卒業。国立精神衛生研究所やハーバード大学植物博物館の研究員などを務め、15年にわたって世界各地で伝統医学や薬用植物の利用の現地調査(フィールドワーク)に従事した。薬用植物の世界的権威とされる。
日本ホリスティック医学協会名誉顧問。

<おもな著書>
『癒す心、治る力』『ヘルシーエイジング』『ワイル博士のうつが消えるこころのレッスン』(角川書店)など著書多数。
オフィシャルサイト:www.drweil.com/


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